土地の収用を受けたら、代替用地をもらう、という人が多かったし、これが資産を増やす意味では正しい選択であった。しかし、現在では、例えば、一億円に相当する代替用地をもらったとする。その土地の性質にもよるが、現状では普通二、三年もすれば七○○○万’八○○○万円くらいにはなってしまうし、その程度の資産の目減りで済めばよい方である。時には、いざ売却しようとしたら買い手がなく換金できないことも十分にありうる。確かに、現在の超低金利時代にあっては敷地収用の代価である一億円の現金を銀行に預けても、ちっとも利息がつかないと嘆きたくなることは理解できる。だが、不動産の所有とは違って、預金による資産ロスは生じない(もっともペイオフ全面解禁が迫るなど、絶対に安全かどうかは筆者にもわからないが)。昔であれば、一億円相当の代替用地をもらわなければ、地価上昇の恩恵を受けられない、と考えて、ほとんどの人が代替用地をもらう。ただし、一部に土地という資産に対する価値に、今も信頼を置いている人がいる。その根拠は、「今後、地価が上昇する」というものではもちろんなく「土地は物理的に滅失しない」という根拠が圧倒的である。その観点から土地という有形な資産に価値を置いている。逆に、土地は滅失しないから需給関である。その観点から土地正係が緩和されているのだが。一方、企業が土地に対し}ることは間違いない。、企業が土地に対して持っている意識はどのように変化しているのだろうか。では、今後、企業活動に必要な土地、建物について、「所有する」のと「借りる」のとではどちらが有利と考えるか、を問うた結果が示されている。九三年度では、「所有する方が有利である」と答えた企業が圧倒的であったが、二○○一年度では、「借りる方が有利である」という企業が「所有派」の企業を上回っている。

